ネットショップ、ネット通販などネット小売り業の方の目標の売上金額の計算方法について説明しています。
現在、目標売上金額はあるでしょうか?
もしあるのであれば、その目標売上金額はどのような根拠に基づく金額でしょうか。
目標売上金額を達成すれば、どのくらいの利益が残るか、なぜその利益が必要なのか考えてみるきっかけになれば幸いです。
目標の達成確率は、目標達成へのモチベーションが高ければ高いほど、高くなると考えております。
目標売上金額達成への強いモチベーションにするために売上目標を設定してみてください。
通常の利益の計算方法は、売上が出発点となります。
①売上-②売上原価=③粗利益
③粗利益-④固定費=⑤利益となります。
この場合の利益は結果であり、これまでの結果を表す過去のものです。
損益計算書が経営に使えないと言われるのは、⑤利益を計算することがゴールとなっているからです。
まず、目標を決めるには、金額以外にもう一つ、「いつまでに」という期間を設定する必要があります。
期間を定めなければ、その目標に向かって行動するスピードが異なるからです。
未来のための目標を考えるときには、利益が出発点、スタートとなります。
「利益はいくら必要なのか」から考える必要があります。
例えば、手元預金が現在100万円と少ないため、資金繰りに不安があるとします。
この場合、資金繰りを改善するために1年後、固定費の2か月分の400万円貯めるという目標を立てました。
すると、1年後の目標利益額は300万円(目標預金額400万円-現在の預金額100万円)となります。
必要な利益金額の設定方法は様々で会社の状況、計画、方針によって異なりますので、
ここではあまり深くは入らないことにします。
300万円の①目標利益金額の設定が終了しました。
実績に基づき、今後の②目標固定費を計算します。
抑えることができる費用がないか、今後、利益を達成するために追加でかかるコストはないかを検討します。
ここでは、見込み固定費は、月200万円見込まれるため、年間2400万円の②目標固定費としました。
そして、①目標利益300万円+②目標固定費2400万円の合計が③目標粗利益2700万円となります。
ここで過去の実績より変動費率を計算する必要があります。
変動費率とは、売上1円が増減した場合、いくらの変動費が増減するかという数字です。
実績の変動費を実績の売上高で割ることで変動費率が計算できます。
実績の変動費が6300万円で売上高が9000万円の場合、
実績の変動費6300万円÷実績の売上高9000万円=変動費率 0.7となります。
売上が1円増減した時、0.7円変動費が増減することを意味します。
もし、余裕があれば、今後の変動費の変動を計算できれば、実績の変動費に加味してください。
そして、次の算式にあてはめ、目標売上高を計算します。
③目標粗利益2700万円÷(1-変動費率0.7)=⑤目標売上高9000万円
長いプロセスですが、このようにすれば、根拠のある目標売上金額は計算することができます。
最初は慣れるまで大変かもしれませんが、モチベーションの高さは、結果に直結すると思います。
ぜひ、高いモチベーションが持てる目標に対してコミットされてみてください。