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売上重視を辞めることがEC経営でお金を残る理由を数値例で解説

ネットショップ、ネット通販業の小売り経営を行うに当たって、キャッシュを残すために重視すべき数字について説明しています。

これまで、売上重視の経営を行った結果、借入金がどんどん膨らんで行ったケースをたくさん見てきました。

そして、売上重視の経営から粗利益を重視した経営に転換することにより、資金繰りが改善していったケースも同じように見てきました。

そして感じること‥

ネットショップ、ネット通販業の小売り経営では、売上の金額を重視した経営は危険だということです。

原価やその他のコスト計算を正確に行わないままに売上高を重視しすぎると、経営判断が雑になってしまいます。

ここでは、なぜ粗利益を重視した経営を行うことにより資金繰りが改善するかについて説明しています。

粗利益とは

粗利益とは、売上から原価を差し引いた残りの金額のことを言います。

売上総利益とも言います。

粗利益とは、「売上」から「売上原価又は変動費」を差し引いた残りの金額です。

売上高ではなく、粗利益こそが、経費や借入金の返済を行うことができるキャッシュのベースとなります。

粗利益の増加金額があってこそ、広告費や人件費など追加のコストなどをまかなうことができます。

粗利益を計算するには、変動費を計算する必要があります。

変動費とは

変動費とは、商品原価、委託サイト等への手数料、外注費、クレジットカード手数料、代引き手数料等です。

売上の増減と比例して増減するコストのことを言います。

売上が増えれば、それに応じて増えるコスト、売上が減少すれば、それに応じて減少するコストです。

売上高、売上原価(変動費)、粗利益、固定費、借入返済、利益の関係は以下のようになります。

固定費とは毎月かかる人件費、家賃、水道光熱費、通信費などの経費になります。

 

 

粗利益は事業を継続するために非常に大切です。

ある意味売上よりも大切な数字だと、様々なお客様を通じて感じております。

なぜなら、売上増加しても必ずしも利益が増加に直結するとは限りませんが、粗利益が増加すれば、利益の増加に直結します。

そして、粗利益が増加し、利益の増加すれば、会社に資金は残っていきます。

粗利益は、毎月支払う家賃、給与、電話代、広告宣伝費などの固定費、借入金の返済を行うためのもととなる金額だからです。

売上重視を辞めて実際に経営改善した方の数値例

以下はあるお客様の粗利益の改善を目標とした利益の改善例です。

粗利数値例

売上は、462万円減少したにも関わらず、粗利益が187万円アップしました。

そして、前期は64万円の赤字だったのが、110万円の黒字に転換することができ、結果、毎月のキャッシュのストックが増加し、苦しかった資金繰りがずいぶん楽になりました。

忙しい割に利益が残っていなかったため、売上規模を追うのではなく、委託サイトの売上比率を下げ、自社サイトでの売上を増やすと同時に、商材の見直しを行い、変動費を下げることを目標することで、以上のような利益を改善することに成功しました。

他の業種に比べ、特にネット通販業は、資金力が価格面での競争力、アイテム数の増加によるリスクヘッジの面で優位性がでやすい業種です。

薄利多売=利益の小さい商品を数で勝負するビジネスのやり方では、資金力で勝る大手や事業実績があり、企業基盤が出来上がっている企業に勝つことは難しいのが現状です。

資金力に頼らず、いかに粗利益を確保するか、その方法は様々です。

価格競争にならない商材を見つけるか、委託サイトをどのように利用するか、販路を変更するか、仕入先を見直すか等々だと思います。

これらは、変化が速く、優位性がそう長くはないことが多いかと思います。

変化へのスピード、独自性を保ちつつ、粗利益、利益を増やしながら、資金力を蓄えていくことが、特にネット通販、ネットショップをされている方は、大切だと考えております。

売上が増えていて、粗利益が増えている場合に資金が残らないケースもあります。

その理由は不良在庫です。

不良在庫の圧縮によるキャッシュフローの改善についてはこちら

粗利益の詳しい計算方法はこちら