平成27年度の国税庁が発表したインターネット通販を含むインターネット取引を行っている者への税務調査の調査件数と税務調査によって所得漏れがどの程度発見されたかについての調査状況についてです。
インターネット取引とは、ネット通販、アフェリエイト、先物などのネットトレード、音楽、動画などの配信を含み、インターネットに関連し広く収入を得る取引になります。
税務調査の件数
インターネット取引を行っている方への平成27年度の税務調査の件数は、全国で2013件行われました。
そのうち、自社サイトを運営し、インターネット通販を行っている方は、572件と全体の28.4%、オークションサイトで販売している方は、450件と全体の22.4%とネットショップの占める割合は全体の5割を超えています。
ちなみに平成26年のインターネット取引を行っている方への税務調査は全国で2195件と平成27年は182件減少しました。
1件あたりの申告漏れ金額
平成27年のインターネット取引に関する税務調査での1件当たりの申告漏れの所得は、平均1164万円となっています。
申告漏れ所得とは、売上が少なくなっていたか、経費が大きくなっていたかで、所得=利益が少なくなっている金額のことです。
ちなみに業種を問わず全体の税務調査での1件あたりの申告漏れ所得額は941万円となっており、インタ―ネット関連取引は特に申告漏れ金額が大きくなっていたようです。
自社サイトを運営し、インターネット通販を行っている方の申告漏れ金額は、1件当たり、710万円、オークションサイトで販売している方は、879万円と全体に比べると大きくありませんが、それなりの金額となっています。
その結果、税務調査1件あたりの追徴税額(=追加で納めることになった税金)は190万円となっており、その金額もかなり大きくなっています。
インターネット取引への今後の税務調査の傾向
このようにインターネット取引の申告漏れの所得金額は他の業種に比べ大きく、その業者数も急速に増えていることから国税庁は明確に「平成28年以降も積極的に調査を実施します」とコメントしています。
インターネット取引で特にネットショップ、ネット通販は国内のみならず、海外を含み、お金の動きと税金の計算のベースとなる所得の違い大きな業種なので、その計算は複雑になること多く、自身の行っている取引が申告義務があるのかないのかについても判断が難しいように思います。
よって、国税庁もインターネット取引向けのチームを編成し、取引の理解、各種プロバイダー等からの情報収集を積極的に行っているようです。
インターネット関連取引を行っている方は特に、今後厳しくなることが見込まれる税務調査対策を十分行い、安心してビジネスが行える環境がさらに大切になってくるように思います。
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