税金対策で中古車購入すると資金繰りが悪化してしまう理由ついて解説しています。
まず、回りくどいかかと思いますが‥
税理士としてこれまで色んな節税を行ってきた方を見てきました。
保険に加入したり、備品や車を購入したり、交際費を使ったり、家賃を前払したり、節税の方法は様々です。
当然、節税=税金を少なくする方法ですが、節税をする目的は、経営が良くなる方向に向かうことであり、
節税の目的は、税金を少なくし、今後の経営のためにキャッシュをより多く残すことだと考えています。
そして、節税の方法は大きく2つ分かれます。
一つは、お金を使った節税、
もう一つはお金を使わない節税です。
最初のお金を使った節税は、5年落ちの中古車を買ったり、備品や飲食代などの経費を使うものです。
この節税を行った場合、本当にキャッシュは残るのでしょうか。
仮に300万円の利益が出ている場合で100万円の中古車を買い、節税を行ったとします。
税率は30%とします。100万円を使えば、100万円の30%の30万円の税金が少なくなります。
すると、「節税を行う場合」と「節税を行わない場合」以下のようになります。
節税を行わない場合は、90万円もの税金が発生します。
一方、節税を行った場合は、60万円に税金を抑えることができ、30万円の差額が発生しています。
しかし、税金を支払った後に残ったキャッシュはどうでしょうか。
節税を行わない場合は、210万円です。
節税を行った場合は、140万円と節税を行わなかった場合に比べ、70万円少なくなっています。
節税の目的は、「税金を少なくし、今後の経営のためにキャッシュをより多く残すこと」だとすると、
お金を使った節税をすると、逆にキャッシュが少なくなってしまいます。
特にネットショップや小売業では、市場の流れが速く、業績が良い時期がずっと続くとも限りません。
節税目的に経費を使い、その後、業績が悪化してしまい、節税を後悔している方を数多く見てきました。
キャッシュを残すための税金対策は、お金を使わない節税をいかに行うか、
そして、いち早く税額を予測し、キャッシュをストックしていくことが重要だと考えています。