この記事は、
・e-BayやUSAmazon、CAAmazonなどセラーの方で輸出取引を行っている方
・中国、韓国などから商品輸入を行っている方
に向けて、ドル建て、元建て、ユーロ建ての取引を経理処理の際に日本円に計算するレートについて説明しています。
日本円で経理処理を行い、会計ソフトなどを使っていくらの利益がでているのか知るためには、ドルや元、ユーロベースの取引を日本円に計算する必要があります。
日々為替レートは大きく変動します。
年間500,000ドルの輸出売上がある場合、1円のレートの違いが日本円に直すと年間に直すと500,000円もの売上が変わります。
そして、外貨が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか等の諸要因より、適切なレートを使うことにより、レートの変動による損益のブレ、税金のブレをコントロールすることが必要となるかと思います。
ここでは、ドルや元などの外貨の取引をどの①タイミングのレートを利用し、②どの種類のレートを使い、円に計算するかについて説明しています。
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では、本題に入ります。
どのタイミングの為替レートを使うか
輸出取引や輸入取引の場合、日々のドル建ての売上や仕入金額をその日々の取引日のレートで円に計算する方法が原則的な方法です。
しかし、この方法では毎日大量の取引を行っている場合、大変手間がかかってしまいます。
ですから、このような場合、その月の1日から月末までを平均したレートを使ってその月の1日から月末までの売上取引を全ての日本円に換算することがおすすめです。
その月の1日から月末までを平均したレートを月中平均レート、アベレージレートと言います。
月ごとの平均レートは、計算が大変なイメージがあるかもしません。
しかし、後述のサイトを使えば、月別の平均レートを調べることができますので、ご安心ください。
そして、発生時のレートで換算するか、平均レートで換算するかは、継続的に統一した経理処理を行う必要があるのでご注意ください。
法人の場合の期末時の売掛金、買掛金、外貨預金の換算について
法人の場合、決算時の処理として、忘れやすいのが、外貨預金、売掛金、買掛金の期末時点のレートでの為替換算し、為替損益を計上する経理処理です。
個人事業主の場合には、期末時レートで為替換算する必要はありません。
期末時点の外貨預金、売掛金、買掛金の金額が大きく、期末直前の為替変動が大きい場合、最終損益に与える影響も同然大きくなります。
具体的な処理方法としては、期中に売上や仕入に関して、上記のように経理処理をした後に、期末時点でのドル建てやユーロ建ての残高に対して期末日のレートで換算する必要があります。
例えば、期末日のドル建ての売掛金が10,000ドルが会計上1,000,000円となっていたとします。
期末日時点で1ドル120円だった場合、10,000ドル×120円=1,200,000円の売掛金へ換算しなおす必要があります。
この場合、1,000,000円と1,200,000円の差額を以下のような仕訳で経理処理します。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
売掛金 | 200,000 | 為替差益 | 200,000 |
期末時点で売掛金の円ベースの価値が上がっていたので、利益として計上することになります。
逆に期末時点で1ドル80円だった場合は、10,000ドル×80円=800,000円の売掛金へ換算しなおす必要があり、以下のような仕訳で経理処理します。
借方 | 借方金額 | 貸方 | 貸方金額 |
為替差損 | 200,000 | 売掛金 | 200,000 |
期末時点での売掛金の円ベースでの価値が下がっていたので、この場合は費用又は損失として計上することになります。
但し、 決算申告書提出日までに「外貨建資産等の期末換算方法等届出書」の提出を行えば、期末時点で以上のような為替差損益を計上する経理処理を行う必要はなくなります。
どの種類の為替レートを使うか
為替レートには、いくつか種類があります。
聞きなれないかもしれませんが、TTS、TTB、TTMがあります。
TTS(Telegraphic Transfer Selling)とは、電信売相場ともいい、円をドルなどの外貨に換えるときのレートです。
TTB(Telegraphic Transfer Buying)とは、電信買相場ともいい、ドルなどの外貨を円に換えるときのレートです。
TTM (Telegraphic Transfer Middle Rate)とは、仲値ともいい、TTSとTTBの中間値になります。
原則的には、TTMのレートを使って日本円に換算します。
但し、継続的に利用することを条件に以下のレート使うこともでき、事業所ごとに使い分けることが可能です。
輸出取引の場合には、売上により入金したドルなどの外貨を日本円に替えるため、TTB
一方、輸入取引の場合には、仕入のために日本円を中国の外貨を元などの変えるため、TTS
レートはどこで調べることができるのか
利用するのは、月中平均レートやTTSやTTBで、通常使うことないタイミングのレートです。
これらのレートの為替相場を調べるのにお勧めなのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの為替相場です。
多種多様な通貨に対応しており、信頼性が高いと思います。
該当する為替相場を調べる方法は、「1990年以降の為替相場」より画面一番下の「1990年以前の前月までの為替データを表示する」より知りたい為替の年度を選択し「表示」をクリックすれば、外貨種類別の月別のレートをエクセルでダウンロードすることができます。
為替レートを調べたり、ドル建てや元建て取引は慣れるまでは大変かもしれません.
外貨を適切なレートで円ベースでの利益を計算しないと、日本円の売上や利益の変動が大きかった理由が為替の変動による資金の増減か、販売実績による資金の増減かを判断の判断ができなくなってしまいます。
複数のアメリカドル、カナダドル、ユーロなどの複数の外貨取引でない場合、為替レートの慣れてしまえば、そう大変ではありませんので是非やってみてください。
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