先日、平成30年の税制改正大綱が発表されました。
税制改正大綱とは、与党が翌年度以降の税金の現行ルールを変更予定のものをまとめたものになります。
今回の税制改正大綱は、平成32年以後についての変更で、所得税について数が多く、以下のようなものが主だったもになります。
・給与所得控除が一律10万円引き下げ
・基礎控除が38万円⇒48万へ
・青色申告特別控除65万円⇒55万円へ
この青色申告特別控除は、確定申告期限内に電子申告を行うことにより65万円控除になります、
上記のほかに特に、海外で直接買い付けを行っているネットショップ、ECビジネス、物販を行っている個人事業主、法人の方で商品を海外から輸入している方の輸入時の消費税に関して影響が大きい税制改正がありました。
内容は税制改正大綱の以下のとおりです。
「輸入に係る消費税の脱税犯に係る罰金の上限について、脱税額の10倍が1000万円を超える場合には、脱税額の10倍に引き上げる」
現状は、輸入に係る消費税の脱税に関する罰金(ペナルティー)の上限は脱税額となっていますが、今回の税制改正ではこれを10倍まで引き上げることになりました。
現状の罰金(ペナルティー)⇒脱税額
税制改正後の罰金(ペナルティー)⇒脱税額の最大10倍
通常、その他の税金に関する罰金(ペナルティー)で10倍にもなるものはこれまで他に聞いたことがありません。
よって、今回の税制改正はかなり強めの注意喚起になったものと考えています。
脱税とは、故意に税金を逃れようとして隠すことを言いますので、間違えて申告が少なくなった場合には、今回の税制改正には含まれません。
輸入に係る消費税の計算方法は、以下のようになっています。
(CIF価格+CIF価格×関税率(百円未満切り捨て))×6.3%=消費税額(国に対して治める部分)‥①
(CIF価格+CIF価格×関税率(百円未満切り捨て))×1.7%=消費税額(地方に対して治める部分)‥②
CIF価格とは、Cost(価格) Insurance(海上保険料) Freight(運賃)の3つを加味した金額となります。
①、②の合計額が今回の税制改正の罰金強化の対象となります。
具体的にどのくらいの影響があるのか考えてみます。
仮に、年間CIFベースで5000万円、関税率11.2%の場合で消費税を申告していなかった場合、脱税とされる消費税額は約445万円になります。
そして、この場合、税制改正に当てはめて考えると、今回の脱税額10倍上限の罰金(ペナルティー)額は、4,450万円となってしまい、この税制改正の影響はかなり大きなものになってしまいます。
ネットショップ、ECビジネス、物販など行っている方にとって、ビジネス自体を揺らがしかねない影響になります。
海外からの輸入を行っている方、海外からの買い付けを行っている方は十分ご注意ください。
コメントを残す