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EC専門税理士が確実にキャッシュが残る失敗しない楽天広告の予算の決め方を徹底解説

これまでEC専門の税理士として、楽天市場の広告をかけて売上を増やしている会社を数多く見てきました。

楽天市場の広告費をかけた結果を会計を見て感じること‥

「売上が増えているけど、利益とキャッシュが残っていない」

広告のかけっぱなしになってしまっているのでは?

と思ってしまうケースがあります。

よって、このブログでは、EC専門の税理士が失敗しない楽天市場の広告のかけ方について解説しています。

失敗しない楽天市場の広告とは売上が増える広告ではありません。

広告費は、アクセスを増やし、売上を伸ばすためにかけると思いますが、失敗ではなく、うまくいっている楽天市場の広告とは、「利益が増える・キャッシュが残る広告」だと考えています。

広告費をかけて、売上を増えても、利益が増えない、キャッシュが増えない広告は、無害どころか有害だと考えています。

なぜなら、粗利益がトントンでゼロだとしても、売上が増えると、出荷作業が増え、人的コストが増加します。

また、売上が増加すると、必要な在庫が増加し、新たに運転資金が必要となり、キャッシュ的にはマイナスになってしまうからです。

 

まず、広告をかけ、売上が増加し、利益が増加する広告とはどんな広告か考えています。

 

売上と利益が増加する広告とは

広告費と売上、利益の関係は、以下のような関係です。

 

 

 

楽天広告で利益が出ているかどうかを確認する方法について説明します。

①まず、楽天広告や値引き・クーポン発行によって増加した売上を集計します。

全体の売上で考えてしまうと、楽天広告の費用対効果を計測することができないからです。

よって、ここで集計する売上は、広告による値引き前の金額で考えます。

値引き・ポイント・クーポンは、売上のマイナスではなく、販促を目的としており、広告費として捉えた方が、実態に沿っているためです。

②また、商品の仕入代金、楽天市場への出品手数料、送料は、売上が増えれば、正比例して増えるため、「変動費」として計算します。

ここで、集計するのは、①で集計した売上に紐づく商品の変動費です。

注意すべきは、①の売上に全体の粗利益率・原価率を使って計算してしまうと、正しい利益が計算できません。

これまで、見てきたケースだと、全体の粗利益率を使っているために、本当は赤字の取引が儲かっているように錯覚してしまい、

楽天広告が垂れ流しになっているケースがありましたので、計算が大変になるかと思いますが、①の売上に紐づく商品にかかる商品原価、送料、出品手数料を各々計算してください。

 

③この値引き前の売上から、売上の増加に正比例して増加する変動費を控除した金額が「粗利益」です。

④そして、「広告費」は、楽天市場広告費と値引き・ポイント・クーポン費用、その他アフィリエイト費用がそれを合計した金額で計算します。

値引き・ポイント・クーポン費用を広告費に含めるのは、値引き・ポイント・クーポン費用の効果によって粗利益がどのくらい増加したのかを明確にするためです。

 

⑤この粗利益から、楽天市場への広告、値引き前・ポイント・クーポン広告費を差し引いた金額が「貢献利益」となります。

貢献利益とは、あまり聞きなれない方も多いかもしれませんが、貢献利益とは、商品を販売したことによって増加する利益のことです。

計算が複雑に感じる方もいるかもしれません

ただ、この貢献利益が増加して、はじめて会社の利益が増加するのです。

 

広告の費用対効果を計測する指標として、ROAS(ロアス Return On Advertising Spend)があります。

ROAS=広告経由の売上高÷左記の売上を獲得するために得るための広告費

売上高に広告がいくら貢献していて、ROASがどんなに高かろうが、売上に対する広告費比率の下げることができたとしても、

この貢献利益が増加しない限りは、楽天広告を使ったことで会社は儲けることができたということはできません。

貢献利益がマイナスになってしまうと、会社の赤字はどんどん増えてしまうのです。

 

楽天広告をかけて、売上が増加すると、粗利益は増加するでしょう。

ただ、貢献利益が増加するとは限らないのです。

これまで、楽天広告をかけて、増えるはずの貢献利益が逆に減少しているケースを見てきました。

これは、増加する粗利益よりも広告費の方が多額になってしまっているのです。‥粗利益<広告費

このような状態になると、楽天広告をかければかけるほど、利益が減少してしまいます。

 

楽天市場広告で会社の利益を増やすには

では、楽天市場広告で会社の利益を増やすにはどうすればよいかについて考えてみます。

楽天市場広告で会社の利益を増やすには、楽天市場広告による注文で増加する貢献利益プラスにする必要があります。

つまり、楽天市場によって獲得する注文にかかるコスト(CPA)より、注文当たりの粗利益を高くすれば、貢献利益がプラスになります。

CPA<注文当たりの粗利益

上記は、リピートを前提としない商品で楽天市場広告経由の売上で会社の利益が増えるための条件です。

また、上限CPA=注文当たりの粗利益となります。

楽天広告予算の決め方

よって、広告予算設定時、計画時には、まず、

販売実績などから注文当たりの粗利益を計算します。

「注文当たりの商品売上の合計ー注文当たりの商品原価ー注文当たりの出品手数料-注文当たりの送料=注文当たりの粗利益」

次に、こちらも実績から想定されるCPA計算します。

「想定されるクリック単価×CVR=想定CPA」

そして、「注文当たりの粗利益ー想定CPA>0」になっていることを確認し、

「注文当たりの粗利益ー想定CPA=注文当たり貢献利益」が会社として必要な金額になっているかどうかを確認します。

貢献利益がいくらプラスだとしても、注文当たりの貢献利益の総額が、人件費や家賃などのコストを上回り、会社の目標とする利益を得ることができないからです。

 

リピート商品の場合に楽天市場広告で利益を出すには

リピートを前提とする商品であれば、

CPA<獲得顧客のLTV

となれば、広告をかけて、売上を増やすことによって、会社に利益が増加したと言えるのです。

LTVとは、生涯顧客価値のことで、リピートが継続している期間の販売によって増加する粗利益の累計額です。

上記の式が成立するには、2回目以降の購入時に広告を踏まずに買っていただくことが前提となります。

また、上限CPA=獲得顧客のLTVとなります。

 

楽天市場広告で失敗しないためのまとめ

楽天広告で失敗しないためには、どのように利益を出すかを計画し、(Plan)

その計画に基づき、実施し、(Do)

その結果を、しっかり測定し、(Check)

必要に応じて改善・対策を行う(See)ことが大切だと考えています。

なによりまずは、広告のかけっぱなしだけにならないためには、広告を使っていかに利益を出すかの設計が大切です。

楽天広告費は多額になるケースも多いかと思います。

楽天広告費を利益が確実に、つなげるためにも、楽天広告による貢献利益を正しく計算し、

その計算に基づく、計画・設計を行い、PDCAを回していくことが大切だと考えています。

 

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