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小売業の利益を決める在庫の7つの評価方法とメリット、デメリット

小売業における経理処理、税務処理上認められている期末の在庫の評価方法、計算方法について説明しています。

期末の商品数量に商品単価をかけたものが、在庫金額となります。

期末数量×商品単価=在庫金額

棚卸で期末の在庫の数量は把握した後、商品単価をどの時点の単価にするかについて会計、経理上いくつか方法があります。

直近の仕入から単価を持ってくるのか、当月の平均仕入れ単価とするのか、実際に存在する商品のいつ仕入したものかを特定して、仕入単価を決めるのか‥その方法は様々です。

期末の在庫の金額が決まれば、自動的に売上原価の金額が決まるので在庫の評価方法は、利益を決める非常に重要なプロセスです。

いつのタイミングに仕入れた原価を売上原価の単価にするか

個々の仕入ごとの商品単価を在庫の商品と紐づけることができれば実際の商品の動きに合わせ、正確に在庫の金額を計算することができます。

しかし、同じ商品を大量に何回も仕入れている場合、輸入の場合など仕入の都度為替レートなどの影響で、仕入単価が異なる場合、個々の仕入ごとの商品が売れたのか、在庫として保管してあるのか、個別に紐づけることは非常に困難だと思います。

個々の仕入ごとの商品単価を在庫商品と紐づけ、商品単価を決める方法は個別法という在庫の評価方法です。

この個別法は、在庫の数量、仕入の回数が少なく、個々の商品一つ一つ個別に管理している場合には使うことができますが、そうでない場合には使うことができません。

個別に管理する必要があるケースは、商品単価が高いケース、一品もの中古品など個々の商品の特徴が強い場合になるかと思います。

実務的にこの個別法を使うのは在庫管理が非常に煩雑になってしまい、使えるケースが限られてしまいます。

よって、実際の商品の動きとは異なりますが、一定の方法の上で商品単価を決定します。

会計、経理処理上は、在庫の単価の計算方法は次の方法から選択するができます。

・先入先出法

・後入先出法

・総平均法

・移動平均法

・最終仕入原価法

・売価還元法

商品の仕入価格が長期間安定している場合には、在庫の計算方法、評価方法の違いによって、決算書の在庫金額、粗利益の金額に大きな違いはでません。

しかし、商品の仕入価格の変動が大きい場合には、選択する在庫の評価方法によって在庫金額、粗利益の金額が大きく異なってきますの自社の商品の特徴、在庫の管理と以下のメリット、デメリットを踏まえ、自社に合った在庫の評価方法を選んでみてください。

以下でそれぞれの方法とメリットデメリットについて説明していきます。

先入先出法とは

ここでは先入先出法について説明しています。

先入先出法とは、先に仕入れたものから順次売れていくと仮定し、商品単価、在庫の金額を計算する方法です。

ここから出てくる方法に共通するのですが、あくまで商品の動きを仮定して商品単価を計算していきます。

この方法では、期末に保有する在庫数量に相当する数量分だけ、当期の最終の仕入からさかのぼって仕入単価を用いることになります。

この先入先出法のメリットは、計算結果が実際の商品の動きに近くなる可能性が高いことです。

ただ、この先入先出法を使えば、当期中に仕入単価が下落傾向の場合には、期末在庫金額が小さくなるので、売上原価が大きくなり、粗利益が小さくなる特徴があります。

後入先出法とは

次は後入先出法について説明します。

後入先出法とは、後に仕入れたものが順次売れていく仮定し、商品単価、在庫金額を計算する方法です。

タンスの中のタオルのイメージです。

後入先出法のメリットは、直近の仕入相場と販売価格の差が粗利益になることです。

後に入れたものから先に使われてしまいますので、最初に入ったものはずっとタンスの中に入ったままとなります。

この方法では、期末に保有する在庫数量に相当する数量分だけ、期首在庫、期首に近い順の仕入進み仕入単価を用いることになります。

よって、この後入先出法のデメリットは、在庫金額=評価時点からかなり期間の経過した商品単価となってしまう可能性がありるため、在庫金額が決算書上、実際の商品原価とかい離してしまう可能性があります。

また、税務上認められた方法でないので、別途税務上認められた方法により、決算時に計算する必要があることです。

この後入先出法を使えば、先入先出法とは逆で、当期中に仕入単価が下落傾向の場合には、期末在庫金額が大きくなるので、売上原価が小さくなり、粗利益が大きくなる特徴があります。

総平均法とは

総平均法とは、期首在庫金額と当期に仕入れた商品金額の合計をを期首在庫数量と当期仕入数量の合計で割って、商品の平均単価を期末在庫数量に掛けて期末在庫金額を求める方法です。

かなりざっくりした商品単価の求め方で計算方法が簡単なことがこの総平均法のメリットになります。

しかし、この方法を年単位で行ってしまうと、期中の利益計算を行うことができない点がデメリットになります。

この総平均法を取る場合には、月単位で行うことでこのデメリットを解消することができます。

移動平均法とは

移動平均法とは、仕入を行った都度、在庫単価を計算する方法です。

この移動平均法のメリットは、仕入単価の変動が大きい場合に、期中のタイミングでリアルタイムに実態に近い粗利益を計算できることです。

ただし、この移動平均法は、仕入を行った都度在庫単価を計算するので、仕入の回数が多い場合などは、計算が複雑になってしまうことがデメリットとなります。

最終仕入原価法とは

最終仕入原価法とは、期末に一番近い仕入れた商品単価を使い、在庫単価を計算する方法です。

この方法のメリットは、計算が簡単なことと税務上届出なしで適用することができる点です。

逆に言えば、税務署に届出を行わなければ、自動的に最終仕入原価法となってしまいますのでご注意ください。

そして、この最終仕入原価法のデメリットは、在庫数量が最終仕入の数量が数量が多く、相場変動が大きい場合には、在庫金額が仕入原価とならないことです。

売価還元法とは

売価還元法は、言葉にすると難しいですが、原価率の近い商品グループごとに期末在庫の販売中の価格の合計と当期の実際の売上を期首在庫と当期仕入の合計で割った原価率に期末の在庫の販売価格を掛けて在庫金額を計算する方法です。

式にすると次のとおりです。

期末在庫販売価格×原価率

原価率=(期末在庫販売価格+当期売上高)÷(当期仕入高+期首在庫金額)

この売価還元法のメリットは、在庫金額が市場の売価をベースとするので、価格に変動のある市場の場合、期末在庫が市場の価値に比例した価格となる点です。

この売価還元法のデメリットは、適切なグルーピングを行うことが難しい点です。

適切グルーピングを行ってこそ、売価還元法のメリットが活きてきます。

この売価還元法は、商品を原価率の近いものをグループごとに分ける作業からスタートしますが、市場価格の変動が大きい場合、原価率の変動が大きくなり、適切なグルーピングが困難となる点です。

まとめ

このように在庫の計算方法は数多くあります。

小売業において在庫の計算方法ひとつで大きく利益が変わり、決算書上の在庫の金額が変わってくることがあります。

上記のそれぞれのメリット、デメリット検討し、現状だけでなく今後の自社の戦略に沿った在庫管理体制に合った在庫の評価方法を検討してみてください。

 

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